一年の中でも特に日の長い時期。日中のうだるような暑さが少し和らいでくるころ、夜空にも星が見えてきます。夕涼みをしながら、夏の星巡りに出かけてみてはいかがでしょうか。
★夏の目印は「夏の大三角」とさそり座のアンタレス
夏の星座には4つの一等星があります。頭上の高いところで輝く、最も明るい星がこと座のベガ、南東に視線を下げていくとわし座のアルタイル、北寄りにあるのがはくちょう座のデネブです。この3つの星を結ぶと、ケーキを切ったような少し細長い三角形の形ができあがります。これが「夏の大三角」です。また、南の空の低いところに輝く赤い星が、さそり座のアンタレスです。アンタレスはサソリの心臓にあたる星で、まわりの星をたどるとアルファベットの「S字」もしくは「J字」を結ぶことができます。毒を持つサソリを見張るように、すぐ東でいて座が弓をかまえています。
★天の川を見てみよう
夏といえば、天文と関わりの深いイベントにたなばたがあります。織姫と彦星が天の川を渡り、年に一度出会うというお話ですね。実際の星空において、織姫がこと座のベガ、彦星がわし座のアルタイルにあたり、ちょうどこの間を天の川が流れています。天の川の正体は、太陽系が属している星の大集団「天の川銀河」の星々の光です。銀河の中心がいて座の方向にあるため、夏は天の川が最もきれいに見られます。今年の旧暦7月7日(伝統的七夕の日)は8月10日です。星が良く見える場所で、天の川探しにチャレンジしてみましょう!
★土星のシーズン 8月下旬から
8月下旬から、午後8時の東の空で土星が見えるようになります。本格的な観測のシーズンは9月以降となりますが、周辺の星よりも明るいのでご注目ください。