


光を集める力「集光力」は、光を受ける面積に比例します。この大型望遠鏡は直径80cmあり、人間の目の1万倍以上光を集めることができます。明るい星は更に明るく見え、普通の望遠鏡では見えない淡い星雲のような天体も見ることができます。
大きな“目”でものを見ると細かいところまで見ることができます。また、焦点距離(光の通る長さ)が長いため、倍率を高くすることもできます。よって、この望遠鏡では“大きく”“きれいに”見ることができ、特に木星・土星などの惑星はとても見ごたえがあります。
小さな町工場で作られたこの望遠鏡には、手作りならではの味わいがあります。また、お金をかけずに良いものを作るための工夫もあります。その一つが、鏡の蓋を開けるためのリール(釣り道具)です。
| 製作 | 法月技研(静岡県焼津市) |
|---|---|
| 製作年 | 1993年3月 |
| 設置年 | 1997年3月 |
| タイプ | 赤道儀式反射式望遠鏡 |
| 位置 | 緯度 北緯 34度49分10秒 経度 東経138度20分05秒 |
| 標高 | 30.5m |

80cm望遠鏡のしくみ
この望遠鏡は口径80cmの主鏡と1枚の副鏡と2枚の斜鏡の組み合わせによって、3ヶ所のいずれかで光を集めることができます。
| 主鏡 | 有効口径 | 800mm |
|---|---|---|
| 厚さ | 100mm | |
| 重量 | 130kg | |
| 形状 | 放物凹面鏡 | |
| 鏡材 | 無膨張ガラス(ゼロデュア) | |
| 鏡面処理 | アルミニウム蒸着メッキSi0保護膜付 | |
| 研磨 | 池谷薫(池谷光学研磨研究所) | |
| 支持 | 6ヶ所釣り合い重り支持法 | |
| 集光力 | 13000倍 | |
| 分解能 | 0.145″ | |
| 極限等級 | 16.3等級 | |
| 焦点距離(F値) | カセグレン焦点 f8000mm(F10.0) ナスミス焦点 f8000mm(F10.0) ニュートン焦点 f3000mm(F4.25) |
|
| 副鏡 | 口径 | 280mm |
| 厚さ | 45mm | |
| 形状 | 双曲凸面鏡 | |
| 鏡材 | 無膨張ガラス(ゼロデュア) | |
| 鏡面処理 | アルミニウム蒸着多層膜増透付 | |
| 第一斜鏡 | 口径 | 280mm |
| 厚さ | 45mm | |
| 形状 | 平面鏡 | |
| 鏡材 | 無膨張ガラス(ゼロデュア) | |
| 鏡面処理 | アルミニウム蒸着多層膜増透付 | |
| 第二斜鏡 | 口径 | 200mm |
| 厚さ | 35mm | |
| 形状 | 平面鏡 | |
| 鏡材 | 無膨張ガラス(ゼロデュア) | |
| 鏡面処理 | アルミニウム蒸着多層膜増透付 |


15cm屈折式望遠鏡(副望遠鏡)
主望遠鏡の横についています。倍率を約40倍に固定し、天体導入用としてのほか、 低倍率に適した天体を見ることができます。
| 制作 | 高橋製作所 | |
|---|---|---|
| タイプ | 屈折式 | |
| レンズ | 口径 | 150mm |
| 焦点距離 | 1700mm(F11.3) | |
| 形状・材質 | 二枚玉フローライト・アポクロマートレンズ | |
| 集光力 | 約460倍 | |
| 分解能 | 0.77″ | |
| 極限等級 | 12.7等級 | |

架台
赤経軸と赤緯軸との組み合わせによって望遠鏡を天体へと向けます。
望遠鏡製作者・法月さんのオリジナル駆動方式フリクションドラブで高精度な天体導入・追尾を行います。
| 架台 | フォーク式赤道儀 |
|---|---|
| 駆動形式 | フリクションドライブ方式 |
| 重量 | 5.3トン |

天体ドーム
天文科学館の屋上に見える銀色の天体ドーム。360度回転によって全天をカバーすることができます。
| 製作 | アストロ光学工業 |
|---|---|
| ドーム径 | 8m |
| 開口幅 | 3.2m |
| 開口方式 | スリットドア2分割上下電動開閉式 |
| ドーム素材 | 鉄骨、ステンレス張り |


昇降リフト
見る天体によって望遠鏡ののぞき位置や高さが変わります。
当館の天文台では昇降リフトを上下させることによって小さな子どもから大人まで観望者に合わせて楽な姿勢で望遠鏡をのぞくことができます。また、車椅子等の方にもご利用いただけるように昇降リフトを天文台の床面まで下げることができます。


制御系
望遠鏡はコンピュータによって制御されています。
天体を自動導入できるほか、コントローラーを用いて手動で操作することができます。

その他
天文台には季節や時期に見頃な星座や天体を紹介するパネルが展示されています。









